「第五高等学校教授夏目金之助依願本官被免ノ件」(部分)
出典:『任免裁可書・明治三十六年・任免巻八』
国立公文書館デジタルアーカイブ https://www.digital.archives.go.jp/
請求番号 任B00329100
【釈文】
辞職願
第五高等学校教授
夏目金之助
右ハ病気ノ為メ劇務ニ堪ヘ難ク辞職ノ
上静養仕度候間医師診断書相添此
段願上候也
明治三十六年三月十一日
右 夏目金之助(印)
文部大臣理学博士男爵菊池大麗殿
(別紙)
診断書
夏目金之助
右者目下神経衰弱症ニ罹リ劇務ニ
堪ヘ難キモノト診断ス
明治三十六年三月十一日
医学博士 呉秀三(印)
【読み下し文】
辞職願
第五高等学校教授
夏目金之助
右は病気のため劇務に堪へ難く、辞職の上、静養つかまつりたく候あいだ、医師診断書あい添へ、この段願ひ上げ候なり。
明治三十六年三月十一日
右 夏目金之助(印)
文部大臣理学博士男爵 菊池大麗殿
(別紙)
診断書
夏目金之助
右は目下神経衰弱症に罹り、劇務に堪へ難きものと診断す。
明治三十六年三月十一日
医学博士 呉秀三(印)
【コメント】
夏目金之助(漱石)が第五高等学校(熊本県)を辞職する際、提出した文書の写しです。
「三月三十一日付ヲ以テ発令相成候様御取計有之度此段及御依頼候」(参考画像1)とする文部省総務局人事課長の文書が添えられて、内閣総理大臣・文部大臣の上奏書(参考画像2)が提出されました。
NHK土曜ドラマ「夏目漱石の妻」を見て気になったので、国立公文書館デジタルアーカイブで夏目金之助を検索しましたが、ヒットしたのはこの文書だけでした。もしかしたら名前でヒットしないだけで、他にも任免関係の文書くらいは残っているかもしれません。
【参考画像】
1 文部省総務局人事課長の添付文書
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