「警視総監従三位子爵三島通庸特旨ヲ以テ陞叙ノ件」(部分)
出典:『官吏進退・明治二十一年官吏進退二十三・叙位』(請求番号 任A00189100)国立公文書館デジタルアーカイブ https://www.digital.archives.go.jp/
【釈文】
(1枚目左ページから。最初の2行のうち、姓名以外は省略。本籍は東京府、族籍は華族、出身は鹿児島藩、生年月は天保6年6月などと書かれている)
姓名 三島通庸
明治四年辛未 十一月二日 東京府出仕被仰付
十一月七日 東京府六等出仕被仰付
十一月十四日 廃東京府更置同府
十一月十五日 任東京府権参事
五年壬申 正月十三日 叙従六位
五月廿五日 任東京府参事
六月十五日 叙正六位
十一月廿四日 任教部大丞
六年 二月十五日 叙従五位
明治七年 十二月三日 兼任酒田県令
十二月五日 本県下人民沸騰ノ件ニ付テハ兼テ県官ヘ御委
任ノ次第モ有之候条赴任ノ上処分取調可伺
出事
八年 六月五日 兼任五等判事 兼酒田県令如故
八月卅一日 改酒田県称鶴岡県
十二月十九日 免本官専任鶴岡県令 兼五等判事如故
十二月廿四日 依願免兼官
九年 八月廿一日 廃鶴岡県
八月廿二日 任山形県令
十年 七月廿一日 除服出仕 (太政官)
十三年 十二月十五日 自今月俸五拾円増給候事 (同上)
十四年 八月六日 地租改正事務勉励候ニ付為其賞別紙目録之通下賜
白縮緬 弐匹 (同上)
十一月廿五日 米沢ヨリ福島ニ至ル新道開鑿事業数年間刻苦勉励竟ニ其功ヲ奏シ今般御通輦被為在御満足ニ被思召候依テ錦一巻下賜 (左大臣熾仁親王)
十五年 一月廿五日 兼任福島県令
七月十三日 免本官専任福島県令
十二月七日 叙勲三等
十六年 十月卅日 兼任栃木県令
十一月九日 勅任ニ被進自今月俸五拾円増給候事 (太政官)
任福島県令兼栃木県令
十二月廿五日 叙正五位
十七年 十一月廿一日 補内務省三等出仕
土木局長被仰付 (内務省)
十一月廿八日 中央衛生会委員被仰付 (太政官)
十二月十九日 福島県令兼栃木県令奉職中ノ事務為引継両県ヘ出張被仰付 (同上)
明治十八年 一月廿二日 東京市区改正審査委員被仰付 (太政官)
七月六日 淀川筋ヘ出張被仰付 (内務省)
八月廿九日 御用有之群馬新潟栃木ノ三県ヘ出張被仰付候事 (同上)
十月五日 御用有之山形福島両県ヘ出張被仰付 (同上)
十二月八日 東京市区改正審査委員被免 (太政官)
十二月廿二日 任警視総監
十九年 五月八日 叙勅任官一等賜下級俸 (内閣)
七月八日 叙従四位
七月廿四日 兼任建築局副総裁
十月廿日 叙従三位
廿年 五月廿四日 特旨ヲ以テ華族ニ被列
依勲功特授子爵 (宮内省)
九月廿八日 依願免臨時建築局副総裁 (内閣)
警視総監従三位勲三等子爵三島通庸特ニ
位階勲等進叙ノ件
右謹テ裁可ヲ仰ク
明治二十一年十月廿一日
内閣総理大臣伯爵黒田清隆
【コメント】
三島通庸の職歴を示し、「位階勲等進叙」の裁可を仰ぐ文書です。
地方では県令を歴任し、中央では土木・建築関係の役職を歴任するとともに、警視総監にも就任しています。内務省に権限が集中し、地方行政と警察を管轄していた時代ならではの職歴です。
漢文調で少し読みづらいですが、今回は読み下し文を省略します。
次回以降も三島に関する文書を読んでいきます。
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