「新潟県下高田住士族柴田克巳等ヘ就産資金貸下ノ件」(部分)
出典:『公文録・明治十七年・第百十八巻・明治十七年四月・農商務省(二)』(請求番号 公03782100)
国立公文書館デジタルアーカイブ https://www.digital.archives.go.jp/
【釈文】
高田住士族就産会社設置
主意書第一条
此会社ハ最ラ高田住士族就産ノ為メ葉茶菓樹植付ヨ
リ養蚕製茶ニ至ル迄着実ナル力業ヲ起スヲ以テ主意
トス
第二条
(省略)
第三条
此業ヲ労力稼業スルモノハ先ツ同盟子弟ヲ以テ第一
トシ逮ヒ無業無産士族ヲ雇役労銀ヲ給スルヲ第二ト
シ実効ヲ以テ同郷士族ヲ誘導シ異日大結合ヲ成スヲ
主意トス
第四条
資本金ノ義ハ拝借スル処ノ六千円ニ有志輩ニヲヘテ
四千円ヲ合積シ合算一万円ヲ以テ別紙予算ノ通リ起
業スルモノトス
第五条
拝借金底当ノ義ハ各自所持スル処ノ地券公債証ノ類
ヲ以テ別紙割合ノ通リ政府江納ムルモノトス
(第六条以下省略)
明治十五年十二月一日
中頸城郡高田住士族
各町有志総代
庄田直道
柴田克巳
第一条 この会社は、最ら(もっぱら、か)高田住士族就産のため、葉茶・菓樹植付より養蚕・製茶に至るまで着実なる力業を起すをもって主意とす。
第二条 (省略)
第三条 この業を労力稼業するものは、まず同盟子弟をもって第一とし、逮(およ)び無業無産士族を雇役、労銀を給するを第二とし、実効をもって同郷士族を誘導し、異日大結合を成すを主意とす。
第四条 資本金の義は拝借するところの六千円に有志輩にをえて(於て、か)四千円を合積し、合算一万円をもって別紙予算の通り起業するものとす。
第五条 拝借金底当の義は、各自所持するところの地券・公債証の類をもって別紙割合の通り政府へ納むるものとす。
(第六条以下、日付・署名省略)
【コメント】
前回コメントで言及した、「高田住士族就産拝借金再願」(明治15年12月1日)の添付文書です。
最後の画像の左ページからは、14ページほど「授産金拝借連名簿」が続きます。1878(明治11)年の文書にも登場した柴田克巳と加藤直大も名前が挙がっています。
設立主意書で柴田克巳と連名になっている庄田直道は、おそらく明治時代に郷土史家として活躍した庄田直道と同一人物でしょう。『頸城郡誌稿』という刊行物の編集に関わったようです(「高田城下」『日本歴史地名大系』〔JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, 参照 2016-09-22〕)。
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